世界観の作り方で大事なこと【１つだけ大きな嘘をつく】（漫画・創作・ゲーム・小説etc）

 

某有名アニメ制作会社で、大人気アニメを作っていた経験がある知人から、ヒットするストーリー・世界観の作り方のポイントを伺いました。

 

それは……

 

「作品の中で、１つだけ大きな嘘をつくこと」

 

 

嘘をつくとは、

現実ではあり得ない設定を１つ盛り込むことです。

 

ストーリーが現実ではあり得ないことばかりだと、読者は現実味や親近感を感じることができず、置いてけぼりになってしまいます。。

 

舞台が現代の日本であったり、史実に基づいたものであれば、よく理解できますよね。

 

その上で、１つだけあり得ない嘘（設定）を盛り込むというのが、ヒット作品のポイントでもあります。全てが現実通りだと、非日常感がなくてつまらないですからね;

 

有名な漫画やアニメで、この１つの嘘が何を示しているのか、見ていきましょう！

 

作品ごとの嘘を分析

ONE PIECE -ワンピース-

嘘：悪魔の実

大航海時代をイメージした世界で、海賊たちによる冒険を描いた物語。「悪魔の実」という嘘を入れることで、多彩なキャラクターと夢を描くことができる。

 

 

NARUTO -ナルト-

嘘：忍術

戦国時代のような昔の戦乱続く日本と、現代の日本をうまくマッチさせたような世界で、大名を守る忍者たちの物語。「忍術」という嘘を入れることで、戦いが派手で面白くなる。

 

 

DRAGON BALL -ドラゴンボール-

嘘：ドラゴンボール

中国をイメージした世界観で、7つ集めればどんな願いも叶えられる「ドラゴンボール」という嘘を入れることで、話のスケールがずっと大きくなる。

 

 

名探偵コナン

嘘：幼児化する薬

現代日本において活躍する高校生探偵というベースの世界設定の上に、「幼児化する薬」という嘘を入れることで、話のオリジナリティや面白さが飛躍する。

 

 

進撃の巨人

嘘：人喰い巨人

中世ヨーロッパをイメージした世界観の上で、「人間を食べる巨人」という嘘（敵）を入れることで、物語の緊張感や人間ドラマを加速させている。

 

 

新世紀エヴァンゲリオン

嘘：使徒

東京をベースとした世界に、人類に敵対する謎の「使徒」という嘘（敵）を入れ、それに対抗する乗り物のパイロットを中学生とすることで、若者に強い共感を呼ぶ人間ドラマと緊張感を提供している。

 

 

DEATH NOTE -デスノート-

嘘：デスノート

現代日本の名探偵vs歪んだ正義を振りかざす犯人という世界設定の上で、死神の世界にある「デスノート」という嘘を入れることで、話がずっと面白くなる。

 

 

ヒカルの碁

嘘：平安時代の名人の霊に取り憑かれる

現代の学校や日本棋院などの囲碁界という世界設定の上で、「平安時代の名人」を憑依させることで、時代を超えた最強vs最強の戦いが実現される面白さを実現。歴史の長い囲碁だからこそ活きる設定。

 

 

Dr.STONE

嘘：地球上の全人類が石化

人類を一瞬で全て石化させるという嘘によって、主人公の天才科学少年が、原始時代から現代まで一気に科学で時代を進めていける舞台を整えた。とても勉強になるし、科学好きな理系男性にはたまらないストーリーを構築。

 

 

キングダム

嘘：将軍の実態

中国の春秋戦国時代、秦の始皇帝が天下統一を成すまでの史実をベースに、将軍を派手なビジュアルやキャラに設定したりといった、「将軍の実態」についての嘘を入れることで、物語を派手に面白くしている。

 

 

ポケットモンスター

嘘：ポケモン

現実の町や自然を舞台にしたような雰囲気の世界観で、「ポケットモンスター」という嘘を入れることで、全く違う魅力的な世界を生み出している。デジモンなどの他のモンスター系も、大体同じような構造。

 

 

Fate/stay night

嘘：聖杯戦争

現代日本の町や学校を舞台とした世界の上に、「聖杯戦争」という嘘を入れることで、歴史上の伝説の人物や魔法を取り入れ、日常と非日常のバランス良く描けている。

 

 

Re:ゼロから始める異世界生活

嘘：死んだら時間が巻き戻る能力

少しダークな中世ヨーロッパ風のありふれた世界観で、「死んだら記憶そのままにセーブポイントからやり直し」という嘘を導入することで、様々に交錯する想いと人間ドラマ、さらにはミステリーのような謎解きの面白さを表現できている。

 

 

PSYCHO-PASS

嘘：シビュラシステム

西暦2112年という未来の日本を舞台に、人間のあらゆる心理状態や性格傾向を数値化した「シビュラシステム」という嘘を導入することで、もしかしたらあり得るかもしれないという未来モノ特有の感じ方と、ダークな世界を表現できている。

 

 

鬼滅の刃

嘘：鬼

大正時代の日本を舞台に、人間を主食とする「鬼」という嘘を導入することで、日本昔話のような和風かつ暗い世界観を演出しつつも、鬼になった妹を助け、敵に復讐するという王道ストーリーを展開している。

 

 

まとめ

面白いアニメ・漫画・映画は、ほぼ必ず、現実とは乖離した「大きな嘘を１つ」盛り込んでいます。

その設定を成り立たせるために、小さな嘘をそこに並べることになりますが、大きな嘘は2つ以上つくってはダメです。世界観がボヤけてしまいます。

 

夢と現実、そのバランスがちょうど良い状態になった時、視聴者はその作品に惹き込まれるようになります。

 

全ての面白い物語に共通するフォーマットとは？

 

 

今回紹介したほとんどの作品は、U-NEXTで視聴可※

U-NEXTで31日間無料で観る！

※本ページの情報は2020年4月時点のものです。 最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。