twitterで流れるチャート分析の投稿で、雲のようなものが描かれているのを見たことはありませんか?
BTC 日足
雲の抜けがまだまだ甘い〜🧐
顔を出す程度だと甘さが残って売りの起点にされちゃうんだよね〜(前回参照)
浅い押しなら200日線上から大陽線で反発が欲しいところ🚀
仮想通貨で難しいところは抜けたかどうかの判断基準だと思う😎 pic.twitter.com/2Em9gxuAvV
— SACHI@🔺とんがりコイナー⏫ (@bakuagecoin) January 13, 2020
これは、「一目均衡表(いちもくきんこうひょう)」と呼ばれる指標で、通称「雲」と呼ばれます。
一目均衡表とは
一目均衡表とは、時間の流れと相場のバランスを重視している指標です。
1936年に細田悟一氏が約2,000人のスタッフと7年かけて完成させたもので、現在では数多くのトレーダーが使っています。
一目均衡表には、雲以外にも5本の線があります。
↑チャート分析ツールでは英語名で記載されていることも多いため、英語名も一緒に記載
- 基準線:当日を含む過去26日間の最高値と最安値の平均値を当日に記入(長期線)
- 転換線:当日を含む過去9日間の最高値と最安値の平均値を当日に記入(短期線)
- 先行スパン1:基準線と転換線の中間値を、当日を含む26日先に記入
- 先行スパン2:当日を含む52日間の最高値と最安値の平均値を、当日を含む26日先に記入
- 遅行スパン:当日の終値を26日前に記入
- 雲:先行スパン1と先行スパン2の間の面積
「わー多くて大変!」と思ってしまいそうですが、よく見てください。
基準線と転換線についての定義を見ると、これ「移動平均線」ですよね?
さらに、移動平均線の記事の中で長期線と短期線の2つを用いる手法を説明しましたが、こちらについても当てはまります。
つまり、一目均衡表において、基準線が長期線(長期の移動平均線)、転換線が短期線(短期の移動平均線)となります。
ということで、5つの線の内の2つはこれで解決です!
移動平均線について
そしてさらに、上記の5つの指標と雲を使うとより精度高く分析できますが、雲だけを使う分析の方が初心者にはわかりやすく、よく使われているのもそちらです。
ということで、今回は上記の中から、雲だけを使った手法を解説します。
今回の手法と、上記の参照記事内の、2本の移動平均線を使った手法を組み合わせることで、トレンドの転換が読みやすくなります。
トレンド転換について
ローソク足と雲とトレンドの関係
一目均衡表では、ローソク足と雲の位置関係が重要です。
ポイントとしては、以下の3つになります。
- ローソク足が雲を上に抜ける → 上昇トレンド
- ローソク足が雲を下に抜ける → 下降トレンド
- 薄い雲をローソク足が抜ける → トレンド転換
1.ローソク足が雲を上に抜ける
上昇トレンドの時は、基本的にローソク足は雲よりも上にあります。
2.ローソク足が雲を下に抜ける
下降トレンドの時は、基本的にローソク足は雲よりも下にあります。
以上から、「雲を下から上に抜けたら買い」「雲を上から下に抜けたら売り」と安易に考えてしまった場合、痛い目を見ることがあります。
それが次の重要ポイントです。
3.薄い雲をローソク足が抜ける
チャートの雲を見てみると、雲が厚いところもあれば、薄いところもありますよね?
雲は支持線や抵抗線を意味しています。要するに、雲はサポートラインやレジスタンスラインのようなものだということです。
サポートライン、レジスタンスラインについて
強いサポートラインやレジスタンスラインのところで価格が反発するように、分厚い雲のところでは反発しやすいです。
つまり、分厚い雲は突き抜けても戻されやすく、トレンド転換しにくいと言えます。
上図の丸で囲んだ箇所について、分厚い雲を突き抜けたものの、すぐに戻されて再び雲に入ってしまっています。このように、分厚い雲の箇所は一度抜けても戻されやすいです。
逆に、雲が薄いところをローソク足が突き抜けると、トレンド転換しやすいです。
上図を見ると、ずっと雲よりも下で下降トレンドだった状況から、雲が薄い箇所(白丸の箇所)を下から上に突き抜けた後、そのまま上昇トレンドの波に乗って、高騰していきました。
(※上図は、ビットコイン・2018年4月の約1ヶ月間の4時間足)
このように、薄い雲をローソク足が突き抜けた時、トレンド転換したと判断します。
実戦例
よくある典型的なパターンを説明します。
ローソク足が雲の下にある状態でしばらくすると、雲が薄くなるタイミングがきました。
もう少し価格が上昇すれば、雲を突き抜けそうです。
BTC_JPY、2018年5月頃、1時間足
その後のチャートの値動きは以下のようになりました。
雲を突き抜けるところから上昇トレンドが始まりました。
ここでは、どのようにトレードすれば良かったのでしょうか?
「薄い雲を突き抜けるところで買って、再び雲の中にローソクの柱が入ってしまったタイミングで売る」というのが定石です。
なんとなく売買してしまうのではなく、こういった典型パターンが訪れた時のみ売買するというのが、トレードで利益を上げるためには大切です。
チャート分析をある程度覚えたら、仮想通貨FXにチャレンジしてみましょう。
チャート分析ツールは、今回の記事内でも採用していたbitbankがとても見やすくオススメです。