上図の青線のようなラインがチャートに描かれているのを見たことはありませんか?
ローソク足は、直近の流れを知る上で手掛かりとなりますが、大きな流れを掴むには、ちょっと使いにくい部分があります。
そこでトレンドラインに加え、「移動平均線」を使えば、勝率はより高まります。
上図の青いラインはこの移動平均線という指標になります。
トレンドラインについて
移動平均線とは
移動平均線とは、過去の一定期間の取引価格を平均化して繋いだ線です。
例えば、「9日平均線」なら過去9日間の取引価格の平均値をその日ごとに算出し、一本のラインにしていきます。期間の取り方は、投資法や人によって異なります。
チャートツールの初期設定では、9日平均線が多いです。5日線や25日線というのもよく使われます。
また、スキャルピングという超短期売買であれば、5分線や15分線といった線も使います。
平均線と取引価格の位置関係も重要で、先行きの予想に使えます。
- 下降トレンドの時:平均線は右下を向き、かつ価格は平均線の下にありがち
- 上昇トレンドの時:平均線は右上を向き、かつ価格は平均線の上にありがち
上図では、赤い線が移動平均線になります。
先ほどのビットコインのチャートの中でも綺麗にこの位置関係となっています。
一例として、上図の水色の箇所は上昇トレンドですが、移動平均線は右上を向き、かつ取引価格は移動平均線の上にあります。
そして、上図のピンク色の箇所は下降トレンドですが、移動平均線は右下を向き、かつ取引価格は移動平均線の下にあります。
移動平均線の使い方
実際に移動平均線を使う時には、複数の移動平均線を同時に使用するケースが多いです。
上図では、25日移動平均線という長期線と、5日移動平均線という短期線を同時に使っています。
ここでどういう点に着目するか。
最も基本的な事項として、「ゴールデンクロス」「デッドクロス」という現象があります。
これらは、移動平均線を使って、トレンド転換を予測する方法です。
トレンド転換についてはコチラを参照
上図のように、短期移動平均線(短期線)と長期移動平均線(長期線)の2本を使います。
ゴールデンクロス
短期線が長期線の下に位置し、そこから短期線が上向き、長期線を下から上に突き抜けた時を表す(上図の黄色◯の箇所)。トレンドが下降・横ばいから上昇に転じた時にあらわれやすく、「買いのシグナル」となる。その後、上昇トレンドになりやすい。
デッドクロス
長期線の上にあった短期線が、上から下に突き抜けた時を表す(上図の紫色◯の箇所)。トレンドが上昇・横ばいから下降に転じた時にあらわれやすく、「売りのシグナル」となる。その後、下降トレンドになりやすい。
特に、緩やかに下降し始めた長期線の上から、急下降した短期線が下に突き抜けた時は「強い売りシグナル」といえる。一般に、高騰する速度よりも暴落する速度の方が速い。
ゴールデンクロス、デッドクロスを意識して、ブレイク(トレンド転換)を見逃さないようにしましょう。
実戦例
しかし実戦において、移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロスを待ってから注文したのでは、既に遅いということが多々あります。
下図を見ても分かる通り、クロスが起こってから注文したのでは、高騰を捉えられません。
ではいつ買うかというと、そろそろクロスしそうな時、または今まで下方向へ向かっていた短期戦が急速に上向き始めた時になります。(上図の黄色い◯の箇所)
というのが、移動平均線のみを用いた場合のチャート分析ですが、実は、MACDという指標を合わせて使うと、もっと明確に買い時・売り時を判別することができます。
移動平均線はチャート分析の基本中の基本のため、しっかりおさえておきましょう!
また、200日の移動平均線は、世界で最も多くの人が参考にしていると言われているため、重要となることもありますので、意識するようにしてください。